商業であるならば、売れるかどうか見極める仕事が必要

あるプロジェクトで、
プロジェクトメンバーに期待すること、
望むことの意見交換をしたときのこと。

このプロジェクトで僕に望まれていることは、、、

・全体の方向示しや運営全体の介入
・プロジェクトのマネジメントやスケジューリング
・場の調整役

などだった。

プロジェクトマネジメントやディレクション、
リーダーシップを発揮する役回りに関する期待が大きく、

メンバーそれぞれが力を発揮できるような環境作り

という意見が代表的なみんなの声のように感じた。

マネージャーやディレクター不足は
どのプロジェクトでも顕著で
ハンドリングを任せたい
といった要望も少なくない。

意見を頂く中で想起したのは、
漫画家と編集者の関係。

漫画家の力を発揮させるための編集担当者の役割が
自分も近しいのではないかということ。

「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」を大ヒットさせた
鳥山明を担当した鳥嶋和彦は、
意に沿わない内容であれば原稿を容赦なく
不採用・描き直しにする鬼の編集者としても有名で、

「描きたいものと描けるものは違うし、
僕らの仕事は賞味期限の短い彼等の
『才能』を発揮させることなんだから」

なんて語っている。

「自分は他人より何が優れているか」
を悟らせることがビッグヒットを生む最大のコツとも言っていて
業界は違えどまさしくそうだなと共感した。

ビジネスをしていても同じように感じることはよくあり、
本来の力を発揮できずに、自分で規定した自分に
囚われて狭い世界で燻っている人をよく見かける。

自分の好きなこと(好きだと思い込んでいること)
得意なこと(得意だと勘違いしていること)に
固執してしまって才能が蕾のままで眠っている。

それはその人自身にとっても
プロジェクト全体にとっても
世界にとってももったいないことだ。

だからこそ、迎合せずにノーと言う。

プロ野球の世界でも
結果の残す監督は、
周りの顔色を伺わず嫌われる監督だ
なんていう意見もあるくらいだ。

原監督、落合監督、野村監督、
星野監督、工藤監督、、、
確かにお人好しで好かれている監督
という感じではない。

音楽業界のトレンドでもそうだろう。

最近人気で売れている
King Gnuなんかも
戦略的にヒットを狙って成功した
と分析されている。

音楽的素養が高いメンバー集まっていて、
元々は玄人好みのマニアックな音楽を展開していたが、
世界的な音楽トレンドと日本の売れる要素を
ミックスして仕掛けて売れた。

R&Bやヒップホップに近い
低域を強調したサウンドメイキングに
シャッフルなどを織り交ぜた16ビートで
洋楽っぽいアレンジに。

メロディーもよく動きドラマティックで
サビもわかりやすい。

ツインボーカルで新しさもあり、
構成はJPOPの王道。

おしゃれな雰囲気とカッコ良さ、
新しいエッセンスも加えつつ
歌謡性でわかりやすくもある。

さらにはストリーミング配信を意識して
プレイリストに入りやすい曲を意識してリリースし、
いろんなジャンルにリーチするようにして
幅広い層のリスナーを獲得。

イントロの短さも相性抜群。

ラジオやテレビ、紅白などの
マスメディアなどの昔からの告知に加えて、
SNSもうまく活用して短期間で人気が出た。

漫画でもスポーツでも音楽でも言えることだが、
強みを発揮して、良い作品(チーム)を作るだけでは不十分で
そこからいかに戦略的に仕掛けていくか。

内側のマネジメントと外側に向けたディレクション、
そして戦略的なマーケティング。

技術力や実力だけでは
大きなヒットは生まれない。

やりたいことや好きなこと、得意なことに
偏らずに、外側に出るために
否定を受けるとること。

ノーを発信することの大切さを
改めて感じる。

最後に、鳥嶋和彦のこんな言葉を、、、

「漫画家ってさ、すぐ“自分が描きたいもの”を描こうとするんだよ。
だから駄目なの。“描きたいもの”を描いているうちは駄目なんだよ」

幼少期より私が影響を受けた人たちから学んだことは「成長」と「挑戦」です。自己研鑽しチャレンジし続ける。その姿を通じて次世代を担う若者達、 同世代のリーダー達と役割を発見し、希望をもたらすことが自分の使命だと思っています。

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